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「時もコロナも乗り越えて〜『チェーザレ』完走〜」

明治座オリジナルミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』
思えばこの作品は2020年4月に産声を上げるはずでした。
コロナの足音がヒタヒタと近づいて来ていましたが、
明治座は換気システムや入場時の検温センサーなど今では当たり前になったシステムをいち早く取り入れ、
他の劇場から公演中止の声が聞こえてくるにも関わらずなんとか初日を迎えようと取り組んでいました。
ところが衣裳付きの通し稽古まで終えいよいよ劇場入りというタイミングで緊急事態宣言が発出。
無念の全公演中止となりました。
中止の報を受け稽古場に荷物を取りに行ったときのことはいまでも忘れることが出来ません。
しばらくの間、気がつけば台詞を繰り歌を口ずさんでいたものです。

一時期は全ての扉が閉ざされましたが、劇場には灯が灯り日々を乗り越えて来ました。
あれから約3年の年月が経とうとしています。

未だに公演中止と背中合わせ、稽古場でも劇場の客席でもマスクを強いられる状況、
様々な制約がが続いてはいますが、新たな息吹も感じられるようになって来ました。

そして明治座が150周年を迎える2023年の新春に『チェーザレ』公演が上演の運びとなりました。⬇️

 

そしてずっと眠っていたオーケストラピットも開かれました⬇️

明治座と言えば劇場横に旗めく”名前”の「幟旗(のぼりばた)」ですが、
今回は劇場前に扮装写真の「ミニ幟旗」が立ち並びました。⬇️

物語の舞台は15世紀、まだ国として統一される以前のイタリア。
文字通り群雄割拠の時代。
大人たちが政治の駆け引きと権謀術数に明け暮れる中、
夢を抱き必死に生きるチェーザレを取り巻く若者たちの青春群像劇。

その若者たちが過ごしているのが斜塔で有名なビサの町。
で、ロレンツォである僕がいるのはフィレンツェ。
物語はピサでの出来事を中心に進んでいくので僕の出番はなかなか来ない。
開演して1時間を過ぎた1幕終盤にチェーザレが僕を訪ねてフィレンツェにやってくる。
初めの台詞が
「よくフィレンツェにおいで下さった、チェーザレ殿」
そりゃ実感がこもりました!

2幕中盤は幻想と回想の中で息子ジョバンニと。
2幕終盤には別所ロドリーゴ、幸二郎ジュリアーノのおじさんトリオでのレクイエム。
そしてフィレンツェを訪ねて来た因縁の相手ラファエーレと。
最後は枢機卿の諮問試験に臨む息子に祈りを捧げる。
そんなロレンツォの日々でした。

対面するのはチェーザレ、ジョバンニ、ラファエーレの3名のみ。
ボーッとしてるとチコちゃんに怒られるだけじゃなく、ほとんどの仲間と会えない。
なので、開演5分前には袖に行き(もちろん楽屋着でね!)開幕を見届けておりました。
こんな感じ⬇️

髪型が田村正和さんを思わせるので寄せてみました!!

上演時間は長いのに、始まるとあっという間に終幕を迎えてた、毎回そんな感覚でした。

新作の作品創りはやっぱり大変だし課題が多いもの。
3年前に一度形作られたとは言え、色々な修正や変更もあり、ゼロから創った感覚。
作品創りに費やすエネルギーと産みの苦しみは想像以上のものでした。

でも今回は客席とともに作品を世に生み出せました。
そのエネルギーと時間を共にしてくれた仲間にはリスペクトと感謝しかありません。
もちろん「作品の最後のピース」である客席の皆さんにも!!

そして全38回の公演全てを止まることなく上演することが出来ました。
本当に有難く嬉しいことでした!!!

これからも明治座発のミュージカルが生まれますように。

その仲間たち(スクアドラ ロッサ=紅組)⬇️

その仲間たち(スクアドラヴェルデ=緑組)と作曲家島健さんと精鋭オーケストラメンバー⬇️

日々の舞台の準備から進行・スタッフワークの全ての管制塔。
我らが舞台監督・岩戸堅一さんの管制室⬇️

僕が開演を見届けてた上手袖からの景色⬇️

楽屋が下手側だったのでまず下手袖の皆と会い、ホリ裏を通ってから上手に行ってました。

袖に入る前のスペースにはこんなブースも⬇️

 

明治座は『天璋院篤姫』『細雪』に次いで3回目の出演。
つまりやっと”馴染み”となれました。
最後にその大好きな明治座の舞台から見る客席⬇️

また舞台からこの景色を見られるように励みます!!!

 

『作品名に偽りなし! まさに、ファンタスティックス!!!』

『浅草・春の宴 九劇、ミュージカルの花まつり』

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