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『作品名に偽りなし! まさに、ファンタスティックス!!!』

作品が生まれたのは1960年。
つまり作品は既に還暦も超えてる長寿な作品。
僕はロングラン中の1991年にNYで観ています。
小さなスタジオのような劇場で、本当に黒一色のシンプルな舞台。
舞台と客席が一体になったような空間で、役者のエネルギーを間近に感じたことを強烈に覚えています。

もちろん日本でも何度も観ている大好きな作品『ファンタスティックス』

今回の一豪さんの演出コンセプトは「旅一座が見せるテント芝居」

ロングランを続けたNYのように空間が密ではないシアタークリエ。
作品が持つ熱量をどう客席と共有するかが1番の課題でした。

それを大きく助けてくれたのが竹邊さんのセットです。⬇️

ピクニックをしてるようなサーカスのテントにいるような、そんな可愛いセット。
客席にも電飾が灯り、色とりどりの旗が垂れていて、、
劇場に入った瞬間にワクワクさせてくれます。

そして、上演中は袖に入らず仲間の芝居を客席と一緒に見守ってました。

僕にとってのリセットポジションはここ⬇️

バロミー家のエリア、と呼ばれ、ルイーザの服が沢山掛けられてます。
開演するとここにかけられてる衣裳(ベスト)を来てベロミーに変身します!
如雨露(じょうろ)はベロミーの必需品!!
このブリキ感がまた愛着を深めてくれるのです。
ここでは「役」ではなく「役者」としているのが今回の演出。
言わば、ここは舞台上だけど袖であり客席でもあるのです。
なので袖で仲間の芝居を観るように、客席で物語を観るようにいられます。
水分補給したり、歌や音楽に乗ったり、芝居に観入ったり、笑ったり!
楽しい時間でした!!

そして『ファンタスティックス』と言えば印象的なのは素敵な音楽。

今回はピアノ、ハープ、ベース、パーカッションのカルテットなバンド編成ですが、
元々はピアノとハープで構成されていました。
作曲のシュミットはハープの音色を主軸にしていたようで、これがまた印象的に物語をサポートしてくれるのです。

とっても貴重なSANAEさんのハープ⬇️

僕もハープを間近に見るのは初めて!
折角の機会なので、開演前や昼夜間に弾かせて貰いました。
弦の数もピアノとほぼ一緒で広いレンジの音が出せます。
指で弾くのですが爪が触れないようにするのがベストだそうで、三味線とは全く逆。
ガットの弦は硬く、結構指の力が必要です。
ちなみに、赤がド、黒がファ、そこが目印になります。

特筆すべきはペダル⬇️

右手前からミ・ファ・ソ・ラ
左手前からシ・ド・レ
の弦に繋がっていて、踏むとシャープ、真ん中がニュートラル、上げるとフラット
これを演奏中に足で操作しながら調を変えているのだから、まさに神業🎶

そんなハープは元より、編曲&バンマスの江草さんのコンダクトの下、バンドのが豊かなグルーブを生み出してくれて、
素敵な音色に物語の情景をインスパイアされ、演技もサポートしてくれました。

そして、一豪さんこだわりの照明も中川さんが緻密に丁寧に創って下さり、
物語に寄り添い、客席を作品に誘ってくれました。

中原さんの衣裳も可愛くカッコ良いし、北尾さんの振りも印象的!
北尾さん、実は1988年のレミゼの同期生!!
ガブローシュだった亘くんも、いまはすっかり立派なダンサー&振付師の北尾さんに!!!
久しぶりに一緒に作品創りが出来て嬉しかったなぁ。

本当に温かく愛に溢れた作品。
そのことを今回さらに強く感じました。
シンプルなストーリーだけど、時代も人種も国も超えて普遍のテーマ。
「幸せ」について考えさせられる時間。
そして終演後の多幸感。
長く愛される作品の秘密に触れた気がする公演でした。

さて、順調に回を重ねた公演でしたが、
「百里を行くものは九十里を持って半とす」
の諺じゃないけど、明日を千穐楽に控えた楽前日にアクシデントが起こりました。
相棒・ハックルビー役の齋藤司さんが突然の体調不良。
昼公演が終わったところでドクターストップ。

ここで終わってしまうのか・・・との思いが一瞬頭をよぎりました。
でも、ハックルビー役には稽古場でサポートしてくれてた丹宗立峰さんがいる!
齋藤さんの報を受け、急遽劇場に駆けつけてくれました。
(逆に言えば、齋藤さん以外が倒れていたら公演はそのまま中止でした。演劇の神様って・・・)

その日の夜公演は中止になってしまいましたが、僕たちは丹宗さんの入れ込み稽古へ。
楽日の朝も早く集まり稽古を続け、千穐楽に丹宗ハックルビーが誕生し、無事に上演出来ました!

この看板を掲げられて本当に良かった⬇️

旅一座と言う演出のコンセプト通り、劇団みたいなカンパニー力を発揮しての千穐楽。
丹宗さん、本当にお見事、天晴れでした。

今回の『ファンタスティックス』のオールスターキャストです⬇️

様々なジャンルから集まった今回のキャスト陣。
本当に皆さん気持ちが良く素敵な方ばかり。
みんな仲良く、いつも笑顔が溢れていました。

おかげで僕はこんな感じ⬇️

いつかこの一座で旅巡業したいね〜と口々に!
また一つ僕の宝物と夢が増えました。

劇場に足を運んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。
客席との一体感を感じながら、沢山エネルギーを循環出来た気がしています。
そして、幸せな気持ちで劇場を後にして下さったと信じています!
いかがですか!

幸せ、と言えば、今回の装置は遊び心満載で、そこここにラッキーチャームがありました。
その中で、特に僕がお気に入りだったのはこのフクロウ⬇️

可愛いでしょ❣️
ベロミー家の庭にひっそり佇んでいました。
開幕して直ぐ、「Try to remember」を歌った後、この横のボックスに座るのですが、チラッと見ては元気を貰ってました!

ちなみに、今は我が家で幸せを呼んでくれてます。

前から大好きだった『ファンタスティックス』、ますます大好きな作品になりました。
また、いつか縁がありますように!

『今年も咲いた「更地」の”笑い”の花』

「時もコロナも乗り越えて〜『チェーザレ』完走〜」

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