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『うつろのまこと』

おかげさまで『うつろのまこと』公演、無事に閉幕しました。
ご来場頂きました皆さん、ありがとうございました!

博品館劇場への出演はもう何度目だろう。
約300席の小屋はとっても温かく落ち着く空間。
客席にいても舞台にいても空気感を全体で共有出来る感覚があります。
みなさんは舞台上からの景色を見ることはないと思いますが、こんな感じです。⬇

ね、いい感じでしょう!

写真を撮ったのは開場前。
なので客席にはチラシも綺麗にセッティングされています!
劇場の方の細やかな作業で劇場空間は作られていくのです。
感謝、感謝!!

『うつろのまこと』は近松門左衛門と竹本義太夫が作品を生み出していく過程を描きつつ、
クロスオーバーしながら生まれた作品を上演していくもの。

近松と義太夫が初めてタッグを組んだ『出世景清』にまつわる《出世之章》
初めて浄瑠璃に心中物の「際物」をテーマにした『曽根崎心中』にまつわる《名残之章》
義太夫の死後に近松が生みだした『心中天網島』にまつわる《生瓢之章》

以上3章を、回によって組み合わせて上演したのです。

僕は現在の義太夫節のか創始者でもある”竹本義太夫”と二代目義太夫となった”竹本政太夫”の2役。

まずは《出世之章》、35歳の竹本義太夫はこんな感じ⬇

次に《名残之章》、53歳の竹本義太夫はこんな感じ⬇

そして最後に《生瓢之章》、30歳の竹本政太夫はこんな感じ⬇

「うつろのまこと」はストレートプレイ(台詞で構成される芝居)なのですが、
僕が演じる義太夫は、「太夫」つまり浄瑠璃の語り手。
他に「人形遣い」と「三味線」が三位一体となって人形浄瑠璃=文楽が構成されます。

語り手ですから本当は義太夫節を唸るところですが、
今回は節を現代の音楽に創り変え、三味線ではなくアナログシンセサイザーという楽器とコラボしました。
故にストレートプレイなのに3章合わせると10曲も歌うことに!

僕の居場所はココ⬇

金屏風を背に見台に座布団そして立膝の姿勢を支える「尻引き」が僕のアイテム。
隣は音楽担当・かみむら周平さんのアイテム、アナログシンセサイザー。

ここで歌うのは3曲のみですが、ピリッと気が引き締まります。

そして我が相棒・近松門左衛門はこの人「伊藤裕一」⬇

とにかく大量の台詞を二人で喋りまくりました。
歳は僕よりだいぶ若いのですが、心強い相棒でした。
飽くことなく二人で稽古をし続けた日々は宝物です。

そして近松作品を演じたのは腕のあるイケメン俳優陣と美しき女優陣。
これまた爽やかで素敵な仲間達でした。

そして今回の作品の「肝」は作・演出の西森英行さん。
緻密で筆力のある台本。
役者に寄り添いつつも妥協を許さず最後の最後までブラッシュアップを重ねる演出。

作中、義太夫は「このままでは近松の書く情の深みや嘆きの泪を語り尽くす心胆を持たぬ」と、
もがき苦しみ生まれながらの矜持さえ捨て、芸のために人生を費やしていく様は、
西森さんの言葉に血肉を与えるための心胆を持ちたいともがく自分に通じたものでもありました。

心身ともに負荷の多い作品でしたが、本当に素敵な作品・役に出逢えたました。
浄瑠璃に現代音楽として命を吹き込んだ音楽の周平さん。
人形遣いの世界を役者に移し替え、更に劇空間を鮮やかに構築した振付のうらんちゃん。
仲間たち、そして客席と共にみんなで生みだし創り出した世界・作品は僕にとっての宝物です!!

またこの世界、この作品と出逢える日を楽しみに次に向かって歩を進めたいと思います。

そうそう、アニキ・翔さんが「ショーウォーター」を差し入れてくれました。
お守りのようなステージドリンク!
めちゃくちゃパワーを貰いました!!⬇

『京都へ‼』

THOMAS〜とーます〜

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