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『三島の世界は美しかった〜昭和百年・三島も百歳〜』

いまさらですよね😅
もうひと月以上も経っちゃいましたが、
「近代能楽集」朗読公演・『邯鄲』『葵上』について振り返ってみたいと思います。

「近代能楽集」は昭和の文豪・三島由紀夫が書いた8篇からなる作品集です。
今回の朗読公演はその中から『簡単』と『葵上』の2作を上演しました。

会場はいわゆる「劇場」ではなく「ホール」
その名も「有楽町朝日ホール」です。⬇️

入り口にはこんなマットがお出迎え⬇️

実は朝日ホールには以前に『モリー先生との火曜日』という作品で出演したことがあります。
調べてみたら2010年だからもう15年前になるんですね!
まさに、光陰矢の如し。

楽屋のハンガーもこんなロゴ入り。
そして過ぎた歳月を感じさせてくれますね⬇️

楽屋からの眺めも変化はしてますが、見下ろして一気に思い出が溢れ出てきました⬇️

『モリー先生〜』の上演時はちょうどバンクーバー冬季オリンピックが開催されていて、
楽屋から街頭テレビを見下ろして浅田真央ちゃんを応援していました。
懐かしいなぁ・・・

そしてステージから見る客席は変わらず重厚さがあります⬇️

「朝日ホール」という名の通り、「劇場」でなく、いわゆる「講演」などで使われることが多い多目的ホールです。
そしてステージ上の天井は低くバトンもありません。
なので一般の芝居を上演するには制約が多くあまり使われません。
でも、ホールならではの落ち着いた空気、重厚感は魅力です。
『モリー先生〜』も今回も朗読公演なので、そんところは相性がいいのかも知れません。

さて、今回の僕の役どころですが、まずは「秘書」⬇️

坊っちゃまの多和田さんと⬇️

立派におじいさんです、昭和の!
老眼鏡設定なので鼻メガネにしているのはこだわりです。
本当はレンズが入っていませんが!
舞台公演ではレンズを入れてると照明が反射してしまうので大抵はレンズを抜くのですよ〜

そしてもう一役は「紳士1」⬇️

「紳士2」、相棒の溝口悟光さんと⬇️

「紳士」は、時代に取り残されて愚痴ばかり言っている政治家。
昭和初期の設定なんだけど、現代にもリンクする言葉が多いのは「時代は繰り返す」ことの証かも!

僕は『邯鄲』のみの出演でしたので『葵上』は袖やモニターで観てました⬇️

シンプルで綺麗な舞台でしょ!

今回の演出は初めてご一緒の大河内直子さん。
とっても穏やかだけど根っ子が熱く芯の強い方。
自由度は高くいけど、役者を信じて引き上げても待ってもくれる演出でした。
そして三島の世界を深く読み解いて、その世界を美しく仕上げてくれました。

「近代能楽集」ですから、元ネタは「能楽」
それを三島流の解釈でユーモアと毒を交えて書かれた作品集。
その中からの『葵上』と『邯鄲』のチョイスがまた良かった。
大河内さんは、二つ合わせて一つの作品となる味わいになるべく、
それぞれを「能」と「狂言」のように色を変えた演出でまとめてくれたのがとても好きでした。

「近代能楽集」にはまだ6作品ありますから、続編があったらいいなぁ〜
なんて未来を夢見ています。

それにつけても、三島の言葉は本当に美しく洗練されているなぁ〜、と改めて!
「三島は音読しながら原稿を書いていたそうで句読点にも大いに意味がある」
という大河内さんの言にも納得させられました。

「インバウンド向けに簡単でやさしい日本語を」
なんて言ってた政治家がいましたが、
そういう簡易な表現とは別に、洗練された表現豊かな美しい日本語を話せる人でありたいと心に誓いました。

また「朝日ホール」のステージにも立ちたいし、三島の世界にも触れたい。
そんな思いを込めて、最後はステージ上で撮った写真を⬇️

『クリスタルとパワフルなディーバの耳福@cotton club』

『喋れども喋れども〜シェイクスピアのことばの海へ〜』

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