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『更地』に生まれた今年2度目の”笑い”の花🌻

昨年の6月に上演予定だった『更地16』
残念ながら公演は延期になり、代替公演として『二人の文化祭《特別篇》』を急遽上演してから約1年。
満を持してメンバーもそのままでの上演となりました。

『更地』は「役者による大人の芝居コント」がコンセプトの10数篇からなるオムニバスコント作品。

春に上演した”SAKURA”シリーズはいままで上演した作品を再構成して紡ぐのに対し、
今回の『更地16』は”ナンバリング”シリーズと呼ばれ、全編新作で紡ぐ作品なのです。

ですので、”SAKURA”シリーズは何となく着地点が見えてる感じ。
そして”ナンバリング”シリーズはゼロからのスタートとなる訳です。

3回目の『更地』参加ですが、僕にとって”ナンバリング”シリーズは初参加。
ただでさえドキドキの多い『更地』の世界が更にドキドキでのスタートでした。

そんなドキドキとワクワクを胸に稽古初日に撮った集合写真がこれ⬇️

昨年中止になる前のリモート稽古や『二人の文化祭』があったので、初めましてな感じはゼロ。
「やっとやれるね!」という一体感が既にありました!

『更地』は基本的に立ち稽古までには台詞を入れてきて、というスタンス。
本読みを2日ほどやって直ぐに立ち稽古に入るから、実質初日までには台詞を叩き込まなきゃならない。

僕は早起きなので、早朝散歩で色んな公園に足を伸ばし、そこのベンチで一人稽古が日課でした。
まぁ、基本は”ひたすら読む”。
話の流れ、自分の役割、人との関係性がイメージできると割とすんなり入っていきます。

でも、『更地』の場合は一筋縄ではいかない。
大森さんの演出は凝縮された緻密な世界。
しかも短編なので、しくじると取り返しが効かないというプレッシャー。
すると、”入った”と思ったものが突然出てこなくなったりするから油断が出来ない。

大森カンパニーは楽までブラッシュアップの稽古が続きますが、
僕も楽まで必死に台詞を繰って確認してました!

ここで楽前日の集合写真を⬇️

やっぱり稽古初日に比べると一体感が増してます。
同じ「さらっち君Tシャツ」を着てるからだけじゃなくて、内面の一体感ね!!
濃密な稽古を経て、日々芝居を紡ぎ、客席と笑い生み出してきた信頼関係が生み出す一体感!!

加えていうなら、一緒に笑った時間がとっても多い。
稽古は緊張感もあり真剣そのものなんだけど、
稽古から本番を通して、カンパニーには笑いが絶えなかった。

そんな充実した時間を共にしてきた安心感もあるのかもしれません。

さて、上演した劇場は下北沢「ザ・スズナリ」

下北沢は小劇場の聖地。
本多グループ各劇場でも連日芝居が上演されてました。

昨年の『二人の文化祭』のときにこの看板に貼られてたポスターは2枚だけ。
でも今年はこの通り⬇️。

緊急事態宣言の延長で、各劇場人数制限などはありますが、劇場の扉が開き、演劇の灯が繋がってるのが嬉しい。

さて、劇場内へご案内⬇️

装置のない、文字通り「更地」な舞台。

ここで、僅かな小道具のみで「笑い」を創り出すのが『更地』の世界。

ちなみに、手前にあるのはサーキュレーターで一応エアカーテンと換気のために設置してあります。

小道具ご紹介⬇️

これに加えてソファ4脚がありますが、これだけ。
ちなみに小道具見本市をやってるわけではなく、毎公演前にこうして消毒をしているのです。

もちろん客席や壁、取手なども毎公演前に消毒していました。
感染対策は手を抜かずしっかりが基本です!

そうして12日間、15回の公演を無事に完走出来ました。

実は隣の「シアター711」の公演では発熱者があり途中で中止になっていました。
一人の発熱者で休演。
一人の陽性者で中止。
そのくらい厳しい環境の中で上演を続けているエンタメ界。

もしかしたらこの回が最後になるかもしれない。
そんなプレッシャーを感じつつの日々でもありました。

でもね、劇場に響く笑い声って本当にいいものです。
色んなモヤモヤを忘れさせてくれるし、免疫力が上がる気がってるのを実感してます!!

何より、このような状況にも関わらず劇場に足を運んでくださり、
感染対策にも協力下さった多くの方に支えられ積み重ねた15回の「笑い」の花だったと思います。

安堵と充実感とそして反省に包まれつつのカーテンコール。
「笑い」「拍手」「手拍子」はライブならではのもの。
本当に役者にとっての栄養剤だなぁと感じています。

そして「ありがとうございました」の中には、
「今日この日の作品創りに参加してくれてありがとう」も含まれているのです。
芝居の最後のピースは客席。

そのことを感じる12日間でした!

そんな「ありがとう」の一コマ⬇️

千穐楽を終えるとバラシ(撤去作業)のお手伝いもするのが小劇場の流儀。
どんどんバラされていく舞台や照明・音響。
何とも言えない感覚があります。
ビックリするくらい早くバレていくし・・・

そして『更地』の世界から、素舞台になった姿がこれ⬇️

舞台監督と演出部が最後のお掃除してくれてるのをパシャリ!

何となく『HEADS UP!』を思い出す瞬間でもあります。

こうして僕らの夏・『更地16』が終わりました。

劇場に足を運んでくださった方。
配信で観てくださった方。
作品に想いを馳せてくださった方。
皆さんのエネルギーこそが、作品を創る力となりました。
心から感謝しています。

ありがとうございました!!!

劇場は人が想像力を羽ばたかせ新たな世界を創る素敵で豊かな場所です!

厳しい状況が続きますが、
感染対策に努め、これからも舞台作品を生み出していこうと思っています。

また劇場で会いましょう!

今拓哉

『第1章、完走!〜劇場は確かに”魔法”がかかっていた〜』

『新しい名前』

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