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『酒蔵記〜富山の巻〜』

『更地SELECT~SAKURAⅢ』の稽古真っ最中。

噂に聞いてはいましたが、”大森1000本ノック”を浴びる日々。
もちろん脳も身体もターボを効かせてフル回転。
楽じゃないけど楽しくはある。
厳しいけれど辛くはない。
だって、やっぱり創る作業が好きなんです。
なので、こんな稽古場は幸せな時間。

でもオフには頭をリフレッシュ!
と言うのを御旗に掲げ、酒蔵へ脳内トラベル。

先日の中津川から今度は富山へ〜〜〜
酒蔵での思い出をご紹介。

この蔵とも不思議なご縁に導かれてのおつきあい。
何しろ社長や蔵人との出逢いからいきなり裸でご挨拶な感じ。
まぁそれはまた別の機会に!

「蔵を見に行きたい!」と言う僕のリクエストに快諾してくれた蔵のTさん。
数ヶ月後「いつ来るの?シフト決めな!」と。
見学ではなく蔵人の末席に加えてくれるありがたいサプライズは昨期の話。

で、今期”初蒸し”(昨年10月1日)にも蔵に駆けつけ蔵仕事。
そんなご縁のある蔵なのです。

2月に中津川の蔵へ行った日に蔵のTさんからメールが来ました。
「そろそろ来ますか?」
『レベッカ』が終わって次まで時間があるのをお見通し!
そして中津川に来てることを察知しているような・・・
もちろん嘘はつけずに詫びを入れつつ予定を調整。
3月初頭に蔵に帰ったのでありました!!

変わらず温かく蔵人の末席に当たり前のように迎えてくれる蔵人の仲間。
もう家族のような安心感。
仕事には厳しいけど、この蔵には自由な空気と笑顔が溢れてる。
好奇心の塊みたいな素敵な社長のキャラクターから来るのかもしれません。

蔵についてご挨拶もそこそこに、「まずは出麹!」と言うTさん。
「出麹」と言うのは、出来あがった麹を「麹室」から出して冷やし乾燥させる「枯らし場」に移す作業です。
こんな感じが本当に嬉しい。

ちなみに「麹室」はこの中⬇️⬇️⬇️

蔵には至るところに酒の神様である「松尾大社」お札が!

咋期この蔵を訪れたのは『HEADS UP!』富山公演の前の1月上旬。
大吟醸を仕込んでいた頃でした。
繊細に気を遣う大変な時期だったので室場担当の僕は朝5時半〜夜中3時くらいまでのお仕事でした。
「寒い・暑い(室場は暑い)・眠い(そりゃね!)・腹へった」
の4拍子を唱えながらの夜中仕事でした。

ですが今回は3月上旬。
もう「仕込み」も最終クール。
朝は早いけど夜中仕事もなく(「仕舞い仕事」が夜早くに終わるので!)ゆったりな空気感。
5か月続いて来た「蒸し」もあと数回。
無事に「麹」を造り終えられそう、と言う穏やかなエネルギーが溢れてました。

当然、景色も違って見えます。

そんな蔵の前で⬇️⬇️⬇️

さぁ、蔵の中をご紹介!

まずは仕込み中の酒たちを⬇️⬇️⬇️

この中に、仕込み日違い、酵母違い、米違い、様々な酒が醸されています。

泡立ってるのが見えますね。
酵母が元気よく仕事をしてくれています。
ここから聞こえる「ピチプチ」と言う音は何とも言えない可愛い音♫

温度管理をしながらの仕込みも⬇️⬇️⬇️

滅多にお目にかかれないサイズの甕も⬇️⬇️⬇️

朝仕事の後、米が蒸しあがるまでの休憩に散歩。

すぐそこには日本海⬇️⬇️⬇️

振り返れば北アルプス(まだ7時くらい)⬇️⬇️⬇️

岩瀬はかつては「北前船」で栄えた街。
その古(いにしえ)の面影を残す風景⬇️⬇️⬇️

散歩を終える頃には米が蒸しあがります。
この日は何と300kg の二台蒸し⬇️⬇️⬇️

蒸す前はこんな感じ⬇️⬇️⬇️

「蒸米」はこちらに投入。
もちろん投入してる間は1時間以上「櫂入れ」をひたすらに⬇️⬇️⬇️

さて、今回も「搾り」に使う圧搾機をご紹介⬇️⬇️⬇️(マニアックな話ですが、YABUTAではありません!)

秋の「初蒸し」のときに組み立てを手伝った圧搾機。
板は全部で120枚あります。
僕が帰った後に圧搾機のことでちょっとした騒動があったそうですが、その話もまたの機会に!

そして搾ったお酒はこの「たれ口」に⬇️⬇️⬇️

搾りたてホヤホヤの酒 ⬇️⬇️⬇️

早朝から始まった仕事を諸々終えて、昼の”まかない”前になると少しずつ「たれ口」にも酒が。
搾りたての酒を「唎く」のは蔵で働く者にとって最高の瞬間。
但し、あくまで酒質を確認するのが目的なので酔ったりはしませんよ!
でもこの味は蔵でなければ絶対に味わえない極上の味。

普段、蔵見学は受け付けていないのですが、
関係者の方に蔵を知って貰うのも大切なこと。
で、時折ある蔵見学の締めくくりはティスティング。

「たれ口」での酒質確認の「唎酒」とは異なり、しっかり商品を飲み比べて貰います。
僕が蔵にいた日にもたまたま蔵見学かありました。

こんな時には僕たちも便乗してティスティング。
写真は麹室のボス・Yさんのティスティング!

さて、蔵の生活をもう少し。

朝昼晩と三食の「まかない」が蔵人の元気の素。
基本ワンプレート。
ある日の「まかない」⬇️⬇️⬇️

ご飯と汁はお代わり自由。
この他にも大皿のおかずもあったり、お刺身が出たり!
この日の汁は粕汁(絶品です!)
ご飯に乗ってるのは”ふき味噌”(ご飯も酒も進みます!)

夜には「晩酌」でヤカンでつけた燗酒も!
この燗酒の旨いこと!!

それから日曜昼の名物まかない「蔵カレー」
”辛くて旨い”と噂のカレー。
ずっと食べたかったのですが、いつもなぜか日曜昼に僕がいない。
で、今回やっと念願叶って「蔵カレー」を食べられました!

はい、ドーン⬇️⬇️⬇️

ホットジャンキーと自他共に認める辛い物好きな僕。
大満足な味わいでした!!!

僕が蔵を後にした翌日、蔵では甑仕舞(こしきじまい)でした。
つまり米を蒸す「甑(こしき)」を使うのも終わりました、と言うこと。
普通は「甑倒し(甑倒し)」と言いますが、この蔵では「甑仕舞」と読んでます。

その後も造りは続いています。
最後の「搾り」は5月になるとか!

最後の「搾り」まで無事に旨い酒を醸してくれることを願っていますよ〜

富山にもそろそろ春が!

今回はこんなところで〜〜〜

『酒蔵記〜中津川の巻〜』

『更地』に桜が咲きました🌸

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